喪中でも仕事の年賀状は出していいか?会社名義と個人名義の違いと取引先への対応を解説
身内に不幸があった年の年末。プライベートの年賀状は控えるとして、困るのが仕事関係です。毎年取引先に出している年賀状は、今年も出していいのか。会社として出しているものまで止めるべきなのか。取引先に喪中はがきを出すのも、なんだか大げさな気がする——。
結論をお伝えします。会社名義の年賀状は、社長や担当者が喪中でも例年どおり出して構いません。会社(法人)には喪中という考え方がないためです。一方で、担当者個人の名義で出している年賀状は、今年は控えるのが一般的です。個人事業主の場合は、「おめでとう」を使わない年始の挨拶状に切り替えるか、松の内が明けてから寒中見舞いを送ると角が立ちません。
この記事では、名義ごとの判断、取引先に喪中はがきを出すかどうか、個人事業主の挨拶状の文例、取引先の担当者が喪中のときの対応まで、順に整理します。
結論:喪中の仕事の年賀状 早見表
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 会社名義で出している年賀状 | 例年どおり出してよい |
| 担当者個人の名義で取引先に出している年賀状 | 今年は控える。届いたら寒中見舞いで返す |
| 個人事業主・フリーランスの年賀状 | 「おめでとう」を使わない挨拶状か、寒中見舞いにする |
| 取引先の担当者が喪中 | 会社あては通常どおり。担当者個人あては控える |
| 年始の挨拶メール・会話 | 「おめでとう」を使わず「本年もよろしく」で十分 |
その仕事の年賀状、出していい?
会社名義の年賀状は喪中でも出してよい理由
会社には「喪中」という考え方がない
喪中は、身内を亡くした人や家族が、お祝いごとを控えて故人を偲ぶ期間です。会社は人ではないので、喪に服すという考え方がありません。取引先や顧客に対しては「会社の代表」としてやり取りしているので、社員個人の事情は持ち込まなくてよい、というのが一般的な考え方です。
社長や役員が喪中でも、会社名義なら通常どおり
社長の親が亡くなった、担当役員が喪中だ——という場合でも、年賀状の差出人が会社名であれば、例年どおり出して問題ありません。社員の家族に不幸があった場合も同じです。
年賀状を止めてしまうと、取引先から「何かあったのかな」と心配されたり、連絡の機会をひとつ失ったりすることにもなります。会社としての挨拶は、いつもどおり続けるほうが自然です。
社長本人が亡くなった場合は社内で判断する
例外として考えたいのが、社長や創業者本人が亡くなった場合です。会社の顔である人を亡くした年は、会社として年賀状を控え、年始の挨拶状や寒中見舞いに切り替える会社もあります。どちらが正しいということはないので、役員や総務で相談して決めましょう。
個人名義の仕事の年賀状はどうするか
担当者個人の名前で出している年賀状は控える
営業担当者が自分の名前で、担当する取引先に年賀状を出しているケースがあります。この場合は差出人が個人なので、喪中の年は控えるのが一般的です。会社として挨拶を欠かしたくなければ、今年は会社名義の年賀状に切り替える方法もあります。
取引先に喪中はがきを出すかどうか
喪中はがきは、もともとプライベートな付き合いのある相手に出すものです。仕事だけの付き合いの相手には、喪中はがきを出さないことも多く、それで失礼にはなりません。個人的にも親しい取引先や、毎年個人あてに年賀状をくれる相手にだけ出す、という線引きがおすすめです。
喪中はがきを出す時期や文例は、喪中はがきはいつまでに誰に出すのか?で解説しています。
年賀状が届いたら寒中見舞いで返す
喪中はがきを出していない取引先から、個人あての年賀状が届くことがあります。その場合は、松の内が明けてから立春の前日まで(1月8日〜2月3日ごろ)に、寒中見舞いで返事を出しましょう。仕事関係の相手なら、喪中の詳しい事情まで書く必要はありません。
寒中お見舞い申し上げます
ご丁寧に年始のご挨拶をいただき ありがとうございました
昨年 身内に不幸がありましたため 年始のご挨拶を控えさせていただきました
本年も変わらぬお引き立てのほど よろしくお願い申し上げます
寒中見舞いの書き方は、喪中に年賀状が届いたらどうする?でも相手別の文例を紹介しています。
個人事業主・フリーランスの場合
屋号の挨拶状は「おめでとう」を使わない形に
個人事業主やフリーランスは、事業の挨拶と個人の喪中を分けにくいのが悩みどころです。お客様や取引先との関係を考えると、年始の挨拶を丸ごとやめるのも心配になります。
その場合は、新年を祝う言葉を使わない「年始の挨拶状」にすると、喪中のマナーを守りながら挨拶を欠かさずに済みます。「謹賀新年」や「あけましておめでとうございます」を外し、旧年のお礼と今年のお願いだけを書く形です。紅白や干支などのおめでたい絵柄も避け、落ち着いたデザインを選びます。
喪中の年始挨拶 言い換え早見表
旧年中は格別のお引き立てを賜り 誠にありがとうございました
本年も皆様のお役に立てるよう 誠心誠意努めてまいります
変わらぬご愛顧のほど よろしくお願い申し上げます
迷うなら寒中見舞いにする
元日に届く挨拶状に抵抗がある場合は、年始の挨拶を控えて、松の内が明けてから寒中見舞いを送る方法もあります。「年始のご挨拶が遅くなりました」と書く必要はなく、寒中見舞いとして近況や今年のお願いを伝えれば十分です。
取引先の担当者が喪中のとき
会社あては通常どおり、担当者個人あては控える
取引先の担当者から喪中はがきが届いた場合、会社あての年賀状は通常どおり送ってよいとされています。控えるのは、担当者個人の名前あてに送っている年賀状です。会社あてに送る年賀状に担当者への一言を手書きで添える場合も、「おめでとう」は避け、「本年もよろしくお願いいたします」とするのが気遣いです。
喪中はがきへの返事は必須ではない
仕事関係の相手から届いた喪中はがきには、返事を出さなくても失礼にはなりません。お悔やみを伝えたい場合の書き方は、喪中はがきが届いたらどうする?で解説しています。
年始の挨拶メール・会話で気をつけること
メールは「おめでとう」を外せば大丈夫
仕事始めの挨拶メールは、喪中でも送って構いません。件名は「新年のご挨拶」とし、本文は「旧年中は大変お世話になりました。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます」とすれば、喪中の事情に触れる必要もありません。会社として一斉に送る挨拶メールは、会社名義の年賀状と同じく通常どおりで大丈夫です。
「おめでとうございます」と言われたら
年始に取引先から「あけましておめでとうございます」と声をかけられたら、「本年もよろしくお願いいたします」と返せば十分です。自分から喪中であることを説明する必要はありません。相手に気を遣わせてしまうので、さらりと流すほうが自然です。
なお、職場で身内を亡くした同僚に声をかけるときのポイントは、身内を亡くした同僚にかける言葉は?でまとめています。
よくある疑問
会社の年賀状をもう印刷してしまったけれど大丈夫?
会社名義の年賀状であれば、そのまま出して問題ありません。担当者個人の名義で用意していた分は、投函前なら出さずに保管しておきましょう。書き損じや未使用の年賀はがきは、郵便局で手数料を払って別の郵便はがきや切手に交換できます。
会社の年賀状に、自分の名前を手書きで添えてもいい?
差出人が会社であれば、担当者として一言添えることは問題ありません。気になる場合は、「おめでとう」などの祝いの言葉を自分では書かず、「本年もよろしくお願いいたします」と添える程度にしておくと安心です。
喪中なのに取引先から年賀状が届くのは失礼?
取引先の多くは会社として年賀状を送っており、こちらの喪中を知らないのが普通です。失礼にはあたらないので、気にする必要はありません。個人あてに届いたものには、寒中見舞いで返事をすれば丁寧です。
会社の賀詞交歓会や取引先への年始回りをどうするかは、喪中に賀詞交歓会は出ていい?名刺交換の挨拶と欠席の伝え方、年始回りの手土産を解説で解説しています。
あわせて読みたい
まとめ
喪中の年の仕事の年賀状について、ポイントを整理します。
- 会社名義の年賀状:会社に喪中はないので、例年どおり出してよい
- 担当者個人の名義:今年は控える。届いたら1月8日〜2月3日ごろに寒中見舞いで返す
- 取引先への喪中はがき:仕事だけの付き合いなら出さなくても失礼ではない
- 個人事業主:「おめでとう」を使わない年始の挨拶状か、寒中見舞いに切り替える
- メールや会話:「おめでとう」を外し、「本年もよろしくお願いいたします」で十分
仕事の挨拶は、相手との関係を続けていくためのものです。喪中だからとすべてを止める必要はありません。会社としての挨拶はいつもどおりに、個人としてのお祝いの言葉だけを控える——この線引きを覚えておけば、迷わずに年末年始を迎えられます。
