喪中・忌中

喪中にカレンダーは配っていい?取引先・親戚・喪中の相手に渡すときの言葉とのしを解説

喪中にカレンダーは配っていい?取引先・親戚・喪中の相手に渡すときの言葉とのしを解説
木田健太郎

毎年11月から12月になると、取引先やお客様、親戚に来年のカレンダーを配っている。けれど今年は家族を亡くしたので、年賀状と同じように控えたほうがいいのだろうか。あるいは、毎年カレンダーを渡している相手から喪中はがきが届き、今年は渡していいのか迷っている——。そんな方も多いのではないでしょうか。

結論をお伝えします。カレンダーは、年賀状やお年賀のような「新年を祝うもの」というより、日頃のお礼や年末の挨拶に添える実用品と受け止められることが多く、一般的には喪中でも配ってよい、喪中の相手に渡してもよいという考え方が多いです。もらったカレンダーを飾ったり、自分で来年のカレンダーを買って掛け替えたりすることも、気にしなくてよいとされることがほとんどです。

ただし、気をつけたいことが4つあります。亡くなって間もない相手が忌中(仏式は四十九日、神式は五十日祭まで)のときや、自分が忌中で個人として渡すときは、忌明けを待つこと、「御年賀」の表書きや紅白の水引を使わないこと、「おめでとう」などの祝う言葉や、「良いお年を」も避けておくと無難なこと、干支や縁起物など、お祝いの色が強い絵柄は相手を選ぶことです。

この記事では、次のことがわかります。

  • 自分が喪中のとき、取引先・お客様・親戚にカレンダーを配ってよいか
  • 相手が喪中のとき、カレンダーを渡してよいか、何と言って渡すか
  • のしと表書きはどうするか
  • もらったカレンダーを飾る・自分で買って飾るのは問題ないか

結論:喪中のカレンダーの早見表

場面 一般的な考え方 気をつけること
自分が喪中・会社や店の名義で取引先やお客様に配る 例年どおり配ってよい 社名入りの販促品ならのしを付けないことも多い。言葉は「本年もお世話になりました」中心に
自分が喪中・個人名義でお客様や知人に渡す 渡してよい 自分が忌中(四十九日前)なら忌明け後に。年始の挨拶を控えるなら、喪中であることを一言添える
自分が喪中・親戚に渡す 渡してよい 自分が忌中(四十九日前)なら忌明け後に。年末に顔を合わせる場合も、忌中は改まって渡すのは控える
相手が喪中(忌明け後) 渡してよい 「おめでとう」などの祝う言葉や「良いお年を」は避け、いたわりの言葉を添える
相手が忌中(亡くなって間もない) 忌明けまで待つ 忌明け後に渡す(郵送でもよい)。年内に間に合わなければ寒中見舞いの時期に
もらったカレンダーを飾る 飾ってよい 干支の大きな絵柄などが気になるなら、年明けから掛ける
自分で買って飾る・掛け替える 問題ない 門松・しめ縄・鏡餅などの正月飾りとは別のものと考えてよい
干支・縁起物・神社のカレンダー 気にする人もいる 喪中の相手には、風景や花、シンプルなものを選ぶと無難

カレンダーの贈答について、法律や公的な決まりはありません。表はあくまで一般的な考え方で、地域や家、相手の受け止め方によって変わります。

喪中でもカレンダーを配ってよいと考えられる理由

年賀状やお年賀は「新年を祝う挨拶」、カレンダーは「日頃のお礼に添える実用品」

喪中に控えるとされているのは、新年を祝う行事や挨拶です。日本郵便の解説では、喪中は年賀の挨拶を慎むので年賀状を送らず、門松やしめ縄などの正月飾り、鏡餅、おせち料理の用意なども控えるとされています(日本郵便(郵便局のプリントサービス)の解説)。

一方、カレンダーは年内に「本年もお世話になりました」という挨拶とともに渡すことが多い品物です。毎日の予定を書き込む生活の道具でもあるため、お祝いの品とは受け止められにくい、というのが一般的な考え方です。

「年賀状・お年賀」と「年末に渡すカレンダー」の違い

年賀状・お年賀年末に渡すカレンダー
意味新年を祝う挨拶→意味1年のお礼に添える実用品
渡す時期元日〜松の内(お年賀は1月2日から)→渡す時期11月〜12月の年内が多い
添える言葉「あけましておめでとうございます」→添える言葉「本年もお世話になりました」
表書き紅白蝶結びに「御年賀」→表書き社名入りならのしなしも多い
喪中のとき控えるのが一般的→喪中のとき言葉とのしに気をつければ渡してよいという考え方が多い
カレンダーの贈答に決まった基準はありません。一般的な考え方として整理しています

喪中に控えるのは「祝う言葉・祝う形」で、品物そのものではない

喪中に気をつけたいのは、「御年賀」の表書き、紅白の水引、「おめでとう」の言葉など、お祝いを表す形のほうです。カレンダーという品物自体が問題になるわけではありません。

同じ年末の贈り物であるお歳暮も、喪中に贈ることは失礼にあたらないとされ、紅白の水引ののし紙ではなく白無地の掛け紙を使うのが一般的と説明されています(高島屋「喪中にお歳暮を贈る際のマナー」)。カレンダーも、同じように「形」に配慮すれば渡してよいと考えられます。お歳暮の時期とのしの詳しい考え方は、喪中にお歳暮は贈っていいか?で解説しています。

気にする人がいるのはどんなときか

一般的には問題ないとされるカレンダーでも、次のような場合は気にする人がいます。

  • 亡くなって間もない時期(忌中)に、家まで持っていく
  • 干支の大きな絵柄、鶴や亀、宝船など縁起物の絵柄
  • 神社のカレンダーや、「謹賀新年」「迎春」などの文字が入ったもの

受け止め方は地域や家によって差があります。迷う相手には、渡すときに一言添えるのがいちばん確実です。

自分が喪中のとき:取引先・お客様・親戚に配ってよいか

会社や店の名義で配るカレンダーは例年どおりでよい

会社や店の名義で配るカレンダーは、個人の喪中とは切り離して考えるのが一般的です。日本郵便の解説でも、仕事関係で年賀状をやり取りしている相手には喪中はがきは出さないとされています(日本郵便(郵便局のプリントサービス)の解説)。仕事上の付き合いは、例年どおり続けてよいという考え方です。会社名義と個人名義の年賀状の考え方は、喪中でも仕事の年賀状は出していいか?でまとめています。

社名入りの販促カレンダーは、名入れそのものが「どこから」の印になるため、のしを付けずにそのまま渡すことも多いようです。

個人名義でお客様や知人に渡すときは一言添える

個人事業や保険の担当者など「顔の見える関係」のお客様に渡す場合、年始の挨拶を控えるなら、カレンダーを渡すときに喪中であることを短く伝えておくと、相手も年賀状を出すかどうか迷わずに済みます。

ただし、自分が忌中(四十九日前)のときは、個人として渡すのは忌明け後にしましょう。喪中のお歳暮について、忌中の方からの贈答品を避けたいと感じる人もいるため、四十九日が過ぎた忌明け後に贈るのが一般的とされています(高島屋「喪中にお歳暮を贈る際のマナー」)。

手渡しするとき

本年も大変お世話になりました。来年のカレンダーをお持ちしましたので、よろしければお使いください。
私事で恐縮ですが、今年は身内に不幸がありましたため、新年のご挨拶は控えさせていただきます。来年も変わらずよろしくお願いいたします。

郵送する添え状(追伸で喪中を伝える形)

拝啓 師走の候、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
本年も格別のお引き立てを賜り、心より御礼申し上げます。ささやかではございますが、来年のカレンダーをお送りいたします。
寒さ厳しき折、どうぞご自愛くださいませ。 敬具
追伸 本年○月に父○○が永眠いたしましたため、新年のご挨拶は失礼させていただきます。

毎年年賀状をやり取りしている相手には、カレンダーとは別に喪中はがきを出す方法もあります。どちらか一方で伝えるか、両方にするかは、相手との関係で選んでかまいません。喪中はがきの時期や文例は、喪中はがきはいつまでに誰に出すのか?を参考にしてください。

親戚に持っていくとき

同じ故人を偲ぶ親戚同士なら、年末に顔を合わせたついでにカレンダーを渡すことは、一般的に問題ないとされます。ただし、自分が忌中(四十九日前)のときは、カレンダーを渡すのは忌明け後にしましょう(高島屋「喪中にお歳暮を贈る際のマナー」)。

相手が喪中のとき:カレンダーを渡してよいか

忌明け後なら、例年どおり渡してよいという考え方が多い

喪中はがきは、主に「新年の挨拶を控えます」という知らせで、年内のお礼の品まで断るものではないと考えられています。忌明け後であれば、例年どおり渡してかまいません。

亡くなって間もない忌中のときは忌明けを待つ

忌中の目安は、仏式では四十九日、神式では五十日祭までです。日本郵便の解説では、忌中は亡くなってから49日とされ、忌明けは仏教では四十九日法要、神道では五十日祭で迎えるとされています(日本郵便(郵便局のプリントサービス)の解説)。神社本庁も、特に慣例がない場合は五十日祭までを「忌」の期間とするのが一般的としています(神社本庁「服忌について」)。なお、忌中や喪中の考え方は宗派や地域によって違います。

喪中のお歳暮について、高島屋の解説では、贈り先が喪中の場合は忌中の期間は贈るのを差し控え、忌明け後に「寒中御見舞」として贈るとされています(高島屋「喪中にお歳暮を贈る際のマナー」)。カレンダーも同じように考えると、相手が忌中のときは次のような形が無難です。

  • 忌明けを待ってから渡す(郵送でもよい)
  • 年内に間に合わなければ、松の内が明けてから寒中見舞いの時期に添える

寒中見舞いの時期は、松の内が明けてから立春(2月4日ごろ)までが一般的で、松の内は一般的に1月7日まで、関西など一部の地域では1月15日までとされています(日本郵便(郵便局のプリントサービス)の解説)。

亡くなってから年明けまでの時期と、カレンダーの渡し方

  1. 亡くなった日〜四十九日(神式は五十日祭)忌中:渡すのは控え、忌明けを待つ忌明け後に渡す(郵送でもよい)
  2. 忌明け後〜12月中旬例年どおり渡してよいという考え方が多い「おめでとう」など祝う言葉は避ける
  3. 12月下旬年末の挨拶は「良いお年を」以外の言葉で「穏やかな年末をお過ごしください」など
  4. 元日〜松の内「御年賀」として渡さない松の内は一般的に1月7日まで、関西など一部は1月15日まで
  5. 松の内明け〜立春(2月4日ごろ)年内に渡せなかった分は、寒中見舞いの時期に表書きをするなら「寒中御見舞」
時期は日本郵便・神社本庁・高島屋の解説をもとにした目安です。地域や家の考え方で変わります

渡すときの言葉と、避けたい言葉

相手が喪中のときは、「おめでとう」などの祝う言葉は避けます。「良いお年を」は祝う言葉ではありませんが、新年を前向きに迎える言葉なので、喪中の相手には言い換えておくと無難です。

  • 「おめでとうございます」
  • 「良いお年を」
  • 「新年がよい年になりますように」
  • 「来年こそは」

代わりに、「本年もお世話になりました」「どうぞご自愛ください」「穏やかな年末をお過ごしください」など、お礼といたわりの言葉を使いましょう。年末の言葉の言い換えは、喪中に「良いお年を」は言っていいか?でも詳しく紹介しています。

手渡しするとき

このたびは大変でしたね。毎年お持ちしているカレンダーです。よろしければお使いください。
寒くなってきましたので、どうぞお体を大切になさってください。来年もよろしくお願いいたします。

郵送する一筆箋

本年も大変お世話になりました。例年お届けしているカレンダーをお送りいたします。
ご家族の皆様もお疲れが出る頃と存じます。どうぞ穏やかな年末をお過ごしください。

干支・縁起物・神社のカレンダーは選び方に気をつける

相手が喪中なら、風景や花、シンプルな数字だけのものなど、落ち着いた絵柄を選ぶと無難という考え方があります。会社の販促品で絵柄を選べない場合は、無理に別のものを用意しなくても、渡すときの言葉で配慮すれば十分でしょう。

のしと表書きはどうする?

社名入りの販促カレンダーはのしなしも多い

会社名や店名が入ったカレンダーは、のしを付けずにそのまま渡すことが多いようです。名入れが「誰から」の印になるためです。自分か相手が喪中でも、このやり方を変える必要は特にないと考えられます。

のしを付けるなら「御年賀」と紅白の水引は避ける

「御年賀」は、年始の挨拶に添える贈り物の表書きです。高島屋の解説では、お年賀は1月2日から松の内までに持参するのが一般的で、紅白5本蝶結びののし紙に「お年賀(御年賀)」と書くとされています。また、贈る相手か贈る側が喪中の場合は松の内を外し、表書きを「寒中御見舞」とするとしています(高島屋「お年賀の正しい贈り方・マナー」)。

カレンダーを年内に渡すときに表書きを付けるなら、「御挨拶」や「粗品」などが使われることが多いようです。自分か相手が喪中なら、お歳暮と同じように紅白の水引は避け、白無地の掛け紙や無地の短冊にしておくと安心です(高島屋「喪中にお歳暮を贈る際のマナー」)。

お歳暮と一緒に渡すとき

お歳暮と一緒に渡す場合は、カレンダーはお歳暮に添える形でかまいません。のしや時期はお歳暮のほうに合わせて考えましょう。詳しくは先ほど紹介した喪中のお歳暮の記事を参考にしてください。

もらったカレンダーを飾る・自分で買って飾るのは問題ない?

もらったカレンダーは飾ってよい

カレンダーは日付を確かめる生活の道具で、正月飾りとは性質が違うというのが一般的な考え方です。干支の大きな絵柄などが気になる場合は、年明けから掛けるといった方法もあります。

自分で来年のカレンダーを買う・掛け替えるのも問題ない

喪中に控えるとされるのは、門松・しめ縄・鏡餅などの正月飾りです。来年のカレンダーを買ったり、年末に掛け替えたりすることは、それとは別のことと考えてよいでしょう。毎年の習慣になっている家では、例年どおりで問題ありません。喪中の正月の過ごし方は、喪中の正月はどう過ごす?でまとめています。

神社でカレンダーをいただくとき

神社のカレンダーや暦をいただきたい場合は、忌中かどうかに気をつけましょう。神社本庁は、忌の期間中は神社への参拝を遠慮し、年末年始が忌の期間と重なる場合は、忌明けの後にお神札を受けるよう案内しています(神社本庁「服忌について」)。カレンダーも忌明け後にいただくのが安心です。家族に代わりに受けてもらえるか、郵送で頒布しているかなどは、神社によって違うので、その神社に確認してください。

よくある疑問

喪中の相手にカレンダーを郵送するとき、添え状は必要?

必須ではありませんが、一筆添えると気持ちが伝わります。「本年もお世話になりました。どうぞご自愛ください」と短く書くだけでも十分です。

喪中であることを伝えずにカレンダーを渡してもいい?

会社名義で配るカレンダーなら、喪中を伝えなくても一般的には問題ありません。個人のお付き合いで、年始の挨拶を控えるつもりなら、喪中はがきやカレンダーを渡すときの一言で伝えておくと、相手が年賀状を出してから気まずい思いをせずに済みます。

喪中の相手から「今年はいらない」と言われたら?

その気持ちを尊重して、無理に渡さないようにしましょう。お礼を伝えたい場合は、松の内が過ぎてから寒中見舞いで気づかう形にすると、相手の負担になりにくいでしょう。

喪中でも会社の年末の挨拶回りには行っていい?

仕事としての挨拶回りは、一般的に例年どおりでかまいません。ただし、身内を亡くした直後で心身ともに疲れているときは、無理をせず、同僚に代わってもらう、郵送に切り替えるなどの方法もあります。仕事関係の年末年始の対応は、喪中の仕事の年賀状の記事も参考にしてください。

まとめ

喪中のカレンダーについて、ポイントを整理します。

  • カレンダーはお礼に添える実用品:新年を祝う品というより、年末の挨拶に添えるものと受け止められることが多い
  • 自分が喪中なら:会社名義は例年どおり。個人名義は、忌中なら忌明け後に。喪中であることを一言添えて
  • 相手が喪中なら:忌明け後なら渡してよい。忌中は忌明けを待ち、「おめでとう」などの祝う言葉や「良いお年を」は避ける
  • のしと表書き:「御年賀」と紅白の水引は避ける。社名入りならのしなしも多い
  • 飾る・買う:もらったカレンダーを飾るのも、自分で買って掛け替えるのも問題ない

喪中にカレンダーをどう扱うかには、はっきりした決まりがありません。だからこそ、迷ったときは「相手がどう感じるか」を考えて、お礼といたわりの一言を添えれば十分です。毎年のカレンダーが、これからも変わらないお付き合いの気持ちを伝えるきっかけになりますように。

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義祖母が2024年に90歳を迎えたことをきっかけに、相続・後見・葬儀を家族で一から調べ始めました。最初は「相続税ってそもそもいくらから払うの?」というレベルで、法務局に電話して手続きを確認したり、銀行の窓口で口座凍結の話を聞いたりしながら少しずつ知識を積み上げました。弁護士でも税理士でもありませんが、「同じ状況の家族が調べたらこうなった」という記録として、費用・期限・手順を具体的に書くことを大切にしています。
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