喪中に年賀状が届いたらどうする?寒中見舞いの返し方と相手別の文例を解説
喪中はがきを出したはずなのに、年が明けたら何枚も年賀状が届いた。喪中はがきを出しそびれた相手から、いつもどおりの「あけましておめでとう」が届いた。亡くなった家族の名前宛てに年賀状が来てしまった——。
喪中の年の年明けは、こうした「届いてしまった年賀状」への対応に迷う方がとても多くなります。そのまま年賀状で返すわけにもいかず、かといって無視するのも気が引ける。しかも相手によって事情が違うので、どう書けばいいのか手が止まってしまいます。
結論をお伝えします。喪中に届いた年賀状には、年賀状ではなく「寒中見舞い」で返事をするのが一般的です。時期は松の内が明けてから立春の前日まで(1月上旬〜2月3日ごろ)。そして、喪中の人に年賀状を送ること自体はマナー違反ではないので、送ってくれた相手を責める必要はまったくありません。
この記事では、届いた年賀状を相手の事情ごとに分けて、それぞれの返し方と文例を紹介します。
目次
- まず知っておきたい基本の考え方
- 喪中の人に年賀状を送るのはマナー違反ではない
- 返事は年賀状ではなく寒中見舞いで出す
- 寒中見舞いを出す時期
- 寒中見舞いで使ってはいけない言葉
- ケース別の返し方と文例
- ケース①:喪中はがきを出した相手から届いた
- ケース②:喪中はがきを出していない相手から届いた
- ケース③:年末に不幸があり、喪中はがきが間に合わなかった
- ケース④:亡くなった本人宛てに年賀状が届いた
- ケース⑤:仕事関係の相手から届いた
- メール・LINEで新年の挨拶が届いたとき
- 寒中見舞いを書くときの注意点
- 写真や近況は控えめにする
- 「前略」「拝啓」などの頭語は不要
- 全員に返す必要はない
- 来年以降に同じことで困らないために
- 喪中はがきは12月初旬までに届くように出す
- 住所録の故人の情報を整理しておく
- よくある疑問
- 寒中見舞いを出す時期を過ぎてしまったら?
- 喪中の相手に、うっかり年賀状を出してしまったら?
- 喪中の範囲に入らない親族が亡くなった場合も寒中見舞いで返す?
- まとめ
まず知っておきたい基本の考え方
喪中の人に年賀状を送るのはマナー違反ではない
意外に知られていませんが、喪中はがきは「こちらから新年のご挨拶を控えます」と知らせるためのものです。相手からの年賀状を断るものではありません。喪中はがきを出す時期や相手の範囲は、喪中はがきはいつまでに誰に出すのか?にまとめています。
そのため、喪中はがきを受け取ったうえで年賀状を送ってくる人がいても、それは失礼にはあたりません。うっかり住所録から外し忘れた、印刷を先に済ませていた、といった事情もよくあります。届いた年賀状に悪気があることはほとんどないので、気にしすぎないでください。
返事は年賀状ではなく寒中見舞いで出す
喪中の間は、新年を祝う言葉を使わないのが基本です。そのため、届いた年賀状に年賀状で返すのは避けます。
代わりに使うのが寒中見舞いです。寒中見舞いは、一年で最も寒い時期に相手の体調を気遣って送る季節の挨拶状で、お祝いの意味を含みません。喪中の人が年賀状への返事として出すのに、ちょうどよい手段です。
寒中見舞いを出す時期
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 出し始め | 松の内が明けてから(関東は1月8日以降、関西は1月16日以降が目安) |
| 出し終わり | 立春の前日まで(2月3日ごろ) |
| 立春を過ぎた場合 | 「余寒見舞い」として2月下旬ごろまでに出す |
松の内の期間は地域によって異なります。迷う場合は、1月中旬以降に届くように出せば安心です。
寒中見舞いで使ってはいけない言葉
- 「あけましておめでとうございます」「謹賀新年」「賀正」などの新年を祝う言葉
- 「おめでとう」「お祝い」などの祝いの表現
- 年賀用の干支のイラストや、紅白・金色を使った華やかなデザイン
はがきは年賀はがきではなく、通常の郵便はがきを使います。落ち着いた色合いの寒中見舞い用の絵柄を選ぶとよいでしょう。
ケース別の返し方と文例
届いた年賀状、どう返す?
寒中見舞いの文面は、次の要素を順に並べるのが基本の形です。
- 季節の挨拶(寒中お見舞い申し上げます)
- 年賀状へのお礼
- 喪中で年始の挨拶を控えたこと
- (必要なら)知らせなかったことへのお詫び
- 相手の体調を気遣う言葉
- 日付
このうち3と4の書き方が、相手の事情によって変わります。
ケース①:喪中はがきを出した相手から届いた
喪中はがきを受け取っているはずの相手から年賀状が届いた場合です。相手の見落としを指摘するような書き方は避け、丁寧なお礼だけを伝えれば十分です。返事を出さない選択も失礼ではありませんが、出しておくとより丁寧な印象になります。
寒中お見舞い申し上げます。
ご丁寧な年始状をいただき、ありがとうございました。
昨年は喪中のため、新年のご挨拶を控えさせていただきました。
寒さ厳しき折、どうぞお体を大切にお過ごしください。
本年もよろしくお願い申し上げます。
令和〇年一月
ケース②:喪中はがきを出していない相手から届いた
喪中はがきを出しそびれた相手や、そもそも出す範囲に入れていなかった相手から届いた場合です。相手は事情を知らずに送ってくれているので、誰がいつ亡くなったのかを簡潔に伝え、知らせなかったことを軽くお詫びします。
寒中お見舞い申し上げます。
ご丁寧な年賀状をいただき、ありがとうございました。
実は昨年〇月に父〇〇が他界し、年始のご挨拶を控えさせていただきました。
ご通知が行き届かず、大変失礼いたしました。
皆様のご健康をお祈りするとともに、本年も変わらぬお付き合いのほどお願い申し上げます。
令和〇年一月
ケース③:年末に不幸があり、喪中はがきが間に合わなかった
12月に入ってから身内が亡くなり、喪中はがきを出す時間がなかったというケースも珍しくありません。この場合は、届いた年賀状すべてに寒中見舞いで事情を伝えるのが一般的です。
なお、「年が明けてから喪中はがきを出してもいいか」と迷う方がいますが、新年になってから喪中はがきを出すことはしません。喪中はがきは年内に年賀状の準備を控えてもらうためのものなので、年明けの知らせは寒中見舞いの役割になります。
寒中お見舞い申し上げます。
ご丁寧な年賀状をいただき、ありがとうございました。
昨年十二月に母〇〇が永眠いたしました。
年末のことで、ご通知が遅れましたことを深くお詫び申し上げます。
生前のご厚情に心より感謝いたします。
寒さ厳しき折、どうぞご自愛ください。
令和〇年一月
ケース④:亡くなった本人宛てに年賀状が届いた
故人の友人や知人から、本人の名前宛てに年賀状が届くことがあります。これは相手が訃報を知らないというサインです。遺族の名前で寒中見舞いを出し、亡くなったことと、生前お世話になったお礼を伝えましょう。
寒中お見舞い申し上げます。
亡父〇〇宛てにご丁寧な年賀状をいただき、ありがとうございました。
父は昨年〇月〇日、〇〇歳にて永眠いたしました。
ご通知が遅れましたことをお詫び申し上げますとともに、生前に賜りましたご厚誼に深く感謝申し上げます。
皆様のご多幸をお祈りいたします。
令和〇年一月
〇〇(差出人名・続柄)
故人宛ての年賀状は、翌年も届く可能性があります。住所録を整理するためにも、この機会に知らせておくと、相手も自分も後から困らずに済みます。
ケース⑤:仕事関係の相手から届いた
取引先や会社関係の年賀状は、個人の喪中とは切り離して考えることが多くなります。会社名義で届いた年賀状には、会社として例年どおり対応するのが一般的です。
個人宛てに届いた場合は、寒中見舞いで返すか、仕事始めの挨拶の際に口頭でお礼を伝える形でも失礼にはなりません。
メール・LINEで新年の挨拶が届いたとき
最近は、はがきではなくメールやLINEで新年の挨拶を受け取ることも増えました。この場合は、わざわざ寒中見舞いのはがきを出す必要はなく、同じ手段で返事をすれば十分です。
「メッセージありがとう。実は昨年祖母が亡くなって喪中なので、新年のお祝いは控えさせてもらっているんだ。今年もよろしくね」
「あけましておめでとう」と返さない代わりに、「今年もよろしく」だけを返す形にすれば、相手に気を遣わせずに済みます。SNSでの年末年始の振る舞いについては「喪中・忌中にSNS投稿は控えるべきか?インスタやXの判断基準と年末年始の注意点を解説」も参考にしてください。
寒中見舞いを書くときの注意点
写真や近況は控えめにする
寒中見舞いは季節の挨拶状なので、近況を書き添えること自体は問題ありません。ただし喪中の年は、旅行の写真や派手な近況報告は控えめにしておくのが無難です。
出産など伝えたい大切な近況がある場合は、寒中見舞いに添えて知らせることができます。詳しくは「喪中・忌中に妊娠や出産を報告してもいいか?伝える相手とタイミングと内祝いのマナーを解説」で解説しています。
「前略」「拝啓」などの頭語は不要
寒中見舞いは、「寒中お見舞い申し上げます」という季節の挨拶が冒頭の言葉にあたります。手紙のような頭語や結語は付けなくて構いません。
全員に返す必要はない
届いた年賀状すべてに返事を出さなければならない、という決まりはありません。特に喪中はがきを出した相手からの年賀状には、返事を出さなくても失礼にはなりません。
気持ちや体力に余裕がない時期です。訃報を知らない相手と、故人宛ての年賀状を優先し、それ以外は無理のない範囲で対応すれば十分です。
返事の優先順位
- 訃報を知らない相手
- 亡くなった本人あての年賀状
- 喪中はがきを出した相手
- 個人あての仕事関係(口頭のお礼でも可)
- メール・LINEの挨拶には「今年もよろしく」と返信
来年以降に同じことで困らないために
喪中はがきは12月初旬までに届くように出す
喪中はがきは、相手が年賀状の準備を始める前に届くのが理想です。11月中旬から12月初旬までに届くように出すと、年賀状が届く行き違いをかなり減らせます。
住所録の故人の情報を整理しておく
故人宛ての年賀状への対応が済んだら、年賀状ソフトや住所録の情報も更新しておきましょう。翌年以降、故人の名前で年賀状の準備をしてしまうミスを防げます。
よくある疑問
寒中見舞いを出す時期を過ぎてしまったら?
立春(2月4日ごろ)を過ぎた場合は、「寒中お見舞い」の代わりに「余寒お見舞い申し上げます」と書き出して、2月下旬ごろまでに出します。文面の内容は寒中見舞いと同じで構いません。
喪中の相手に、うっかり年賀状を出してしまったら?
喪中の人に年賀状を送ること自体はマナー違反ではないため、慌てて謝罪する必要はありません。気になる場合は、寒中見舞いで「喪中とは存じ上げず、失礼いたしました」とひと言添えれば十分です。
喪中の範囲に入らない親族が亡くなった場合も寒中見舞いで返す?
喪中とするかどうかは、一般的に二親等までが目安ですが、最終的にはご自身の気持ちで決めて構いません。喪中としなかった場合は、例年どおり年賀状で返事をして問題ありません。
子どもが友達から年賀状をもらったときの返し方や、子ども向けの寒中見舞いの文例は、喪中に子どもが友達へ年賀状を出していい?届いた時の返し方と寒中見舞いの文例を解説で解説しています。
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まとめ
- 喪中に届いた年賀状には、寒中見舞いで返事をするのが一般的です
- 時期は松の内明けから立春まで(1月上旬〜2月3日ごろ)。過ぎたら「余寒見舞い」
- 喪中の人に年賀状を送ること自体はマナー違反ではないので、送ってくれた相手を責める必要はありません
- 喪中はがきを出していない相手や、故人宛ての年賀状には、亡くなったことを簡潔に伝え、知らせなかったことを軽くお詫びします
- 新年になってから喪中はがきは出さず、寒中見舞いで知らせます
- メールやLINEの挨拶には、同じ手段で「今年もよろしく」と返せば十分です
- 全員に返す必要はなく、訃報を知らない相手と故人宛てを優先すれば大丈夫です
年賀状への返事は、形式よりも「知らせてくれてありがとう」「気にかけてくれてありがとう」という気持ちが伝わることが大切です。無理のない範囲で、落ち着いたときにペンをとってみてください。
