喪中・忌中

喪中・忌中にだるまを買っていい?だるま市の判断と古いだるまの納め方、目入れを解説

喪中・忌中にだるまを買っていい?だるま市の判断と古いだるまの納め方、目入れを解説
木田健太郎

毎年、だるま市で新しいだるまを買い、去年のだるまをお寺に納めている。今年は家族を亡くし、「だるまを買ってもいい?」「去年のだるまはどうする?」「片目のままのだるまに目を入れていい?」と迷っていませんか。

結論をお伝えします。喪中・忌中にだるまを買ってはいけない、という決まりはありません。少林山達磨寺や深大寺のだるま市はお寺の行事で、神社本庁が控えるよう案内しているのは「忌中の神社参拝」です。そのため、神社の境内で開かれるだるま市は忌中(五十日祭まで)は控え、お寺のだるま市は行き先の寺の案内を確かめる、と分けて考えると迷いません。西新井大師のように「七七日忌(四十九日)の法要が済めばお参り・ご祈願は大丈夫」と案内しているお寺もあります(西新井大師「よくあるお問い合わせ」)。目入れや古いだるまの納め方は、忌明け後なら例年どおりで大丈夫です。忌中のあいだは今のだるまを飾ったままにするか、家族に頼みましょう。

この記事では、次のことがわかります。

  • だるま・だるま市が、喪中に控える「お祝い」に入るかどうか
  • お寺のだるま市と神社のだるま市で、考え方がどう違うか
  • 2027年のおもなだるま市が忌中にかかるかの目安
  • 喪中・忌中の目入れと、神棚に置いているだるまの扱い
  • 古いだるまの納め方(お寺ごとの受付の例)

なお、11月の酉の市(熊手)については喪中・忌中に酉の市へ行っていい?熊手の買い替えと古い熊手の納め方でまとめています。

結論:喪中・忌中のだるまの早見表

こと 忌中(四十九日・五十日祭まで) 喪中(忌明け後)
お寺のだるま市に行く 寺の案内を確認(七七日忌の法要後なら可とする寺も) 行ってよい
神社のだるま市に行く 控える 行ってよい
だるまを買う 家族に頼むか、忌明けまで待つ 例年どおりでも、控えめでもよい
寺で開眼・祈祷を受ける 寺の案内に従う 受けてよい
新しいだるまに目を入れる 決まりはない。気になれば忌明け後に 入れてよい
古いだるまに目を入れて納める 飾ったままでよい 感謝して納める
神棚に置いているだるま 神棚封じの間は触れない 封じを解いてから
喪中の人にだるまを贈る 控える 相手の気持ちを確かめて

※法律や公的な決まりはありません。神社本庁「服忌について」の考え方と、各寺の公式案内をもとにした目安です。「目入れ」「贈る」は特に決まりがないので、家族や相手の気持ちを優先してください。

だるまとだるま市は、喪中に控える「お祝い」に入る?

だるまは達磨大師の坐禅姿。代表的なだるま市はお寺の行事

だるまのもとになったのは、中国禅宗の開祖とされる実在のお坊さん・達磨大師です。少林山達磨寺(群馬県高崎市)は、だるまが赤いのは達磨大師が赤い衣を頭からかぶって坐禅をしている姿がもとになっているから、と説明しています(少林山達磨寺「よくある質問」)。

少林山達磨寺は黄檗宗(おうばくしゅう)のお寺で、自らを「縁起だるま発祥の寺」と紹介しています。天明3年の浅間山の大噴火などによる大飢饉のとき、9代目の住職・東嶽(とうがく)和尚が農民を救うために張り子のだるまの作り方を伝え、正月七草大祭の縁日で縁起物として売られるようになったのが縁起だるまの始まりだそうです(少林山達磨寺「縁起だるま発祥の寺」)。

東京の深大寺(調布市)も、毎年3月3日・4日の「厄除元三大師大祭(やくよけがんざんだいしたいさい)」にあわせて、境内でだるま市を開いています。深大寺は自らのだるま市を「日本三大だるま市」の1つと紹介しています(深大寺「だるま市について」)。このように、少林山達磨寺や深大寺のだるま市は、お寺の行事として開かれています。

喪中に控えるのは「お祝いごと」、忌中に控えるのは「神社参拝」

神社本庁によると、地域に慣例がなければ五十日祭までが「忌(き)」、一年祭(一周忌)までが「服(ぶく)」とするのが一般的で、忌の期間は神社の参拝や家庭の神棚のおまつりを控えます(神社本庁「服忌について」)。

では、だるまそのものはどうでしょう。少林山達磨寺は「縁起だるまは願掛けだるま」と説明しています。願いを込めて片目を入れ、一年無事に過ごせたとき、または願いがかなったときに、感謝を込めてもう片方の目を入れるものです(少林山達磨寺「縁起だるま発祥の寺」)。年賀状のような「おめでとう」を伝えるものではなく、願かけと感謝の縁起物なので、喪中だからといって必ず控えるものとは言えません。気持ちが向かない年は、無理に買わなくてもかまいません。

だるま市はお寺か神社かで考える

お寺のだるま市:行き先の寺の案内を確かめる

神社本庁の「忌の期間は神社参拝を控える」という考え方は、神社についてのものです。お寺へのお参りの考え方は初詣の記事(忌中と喪中で初詣に行くルールはどう違うか)でも整理していますが、だるま市については、実際の案内がお寺ごとに違います。

たとえば西新井大師(東京都足立区)は、「喪中ですがお参りやご祈願はしてよいですか?」という問いに、七七日忌(四十九日)の法要が済んでいればどちらも大丈夫と答えています(西新井大師「よくあるお問い合わせ」)。少林山達磨寺・深大寺の公式サイトには、忌中の参拝についての記載は見当たりませんでした。

四十九日より前にお寺のだるま市に行きたいときは、行き先のお寺に問い合わせると確実です。

神社のだるま市:忌中は控える

行きたいだるま市が神社の境内や神社の祭礼で開かれる場合は、神社参拝と同じに考え、忌中は控えましょう。神社本庁は、忌の期間中は神社への参拝を遠慮し、やむを得ない場合はお祓いを受けてから参拝するのがよい、としています(神社本庁「服忌について」)。

お寺か神社か分かりにくいときは、会場の公式サイトで主催を確かめるか、問い合わせると確実です。

だるま市に行くか迷ったときの考え方

行きたいだるま市は、お寺か神社か会場の公式サイトで主催が寺か神社かを確認
だるま市の日が忌中(四十九日・五十日祭まで)にかかるか
お寺・忌明け後

例年どおり行ってよい
お寺・忌中

行き先の寺の案内を確認七七日忌の法要後なら可とする寺もある
神社・忌中

控える家族に頼むか、今のだるまを飾ったまま
神社・忌明け後

行ってよい
神社本庁「服忌について」と西新井大師の案内をもとにした目安です

2027年のおもなだるま市と、忌中にかかる目安

公式サイトで日程を確かめられた2つのだるま市について、忌中にかかる目安をまとめました。亡くなった日を1日目として数え、四十九日目(亡くなった日の48日後)までを忌中としています。

神社本庁も、服忌は地域に慣例があればそれに従うのが適切としているので(神社本庁「服忌について」)、これはあくまで目安です。カレンダーで数えて確かめてください。2日目だけなら忌明け後になる、という場合もあります。

忌中にだるま市が重なったときは

今のだるまを、来年まで飾っておく

少林山達磨寺・深大寺の案内を見ても、「だるまは毎年必ず買い替えなければならない」とは書かれていません。忌中でだるま市に行けない年は、今のだるまに一年見守ってもらったことに感謝しながら、そのまま飾っておけば十分です。翌年のだるま市で、2年分のお礼を込めて納めましょう。

忌中でない家族に代わりに行ってもらう

神社本庁は、忌を「故人の祭りに専念する期間」と説明しています。江戸時代の「服忌令(ぶっきりょう)」では、父母の忌が50日で最も長く、親等が離れるにつれて期間が短くなっていました(神社本庁「服忌について」)。服忌は地域の慣例に従うのが適切とされているように(神社本庁「服忌について」)、誰が忌中にあたるかは家や地域で考え方が違うので、家族で話して、続柄の遠い家族などに頼むのもひとつの方法です。

今年はまだ四十九日が済んでいないので、だるま市には行けそうにありません。
代わりに、いつもと同じくらいの大きさのだるまをお願いできますか。
去年のだるまも持って行って、納め所に納めてもらえると助かります。

忌明け後に、お寺で受ける・郵送について問い合わせる

だるま市の日を過ぎても、お寺によっては授与所でだるまを受けられることがあります。少林山達磨寺は、祈願をした縁起だるまなどの授与品について、来山での受け渡しの事前予約や郵送の受付を案内しています(少林山達磨寺 公式サイト)。忌明けを待ってから、受け方をお寺に問い合わせてみてください。

喪中(忌明け後)にだるまを買い替えるときは

決まりはなく、例年どおりでも控えめでもよい

忌明け後のだるまの買い替えについて、決まりはありません。家内安全や商売繁盛を願って例年どおり受けてもよいですし、今年は気持ちが向かないので小さめにする、見送る、という選び方もあります。家族で話して決めてください。

「毎年大きくする」はどうする?

浜松市が笠井だるま市(福来寺)を取材した記事では、「だるまは毎年新しいものに買い替え、サイズを少しずつ大きくしていくのが習わしだそう」と紹介されています(浜松市「笠井だるま市」)。これは笠井だるま市についての紹介で、どこのだるま市にも当てはまる決まりとして書かれたものではありません。家族を亡くした年は、去年と同じ大きさのだるまを選んでも差し支えありません。

お寺で開眼してもらうとき

少林山達磨寺では、和尚が最初の一筆を点眼して目を開き、祈願をする「だるま開眼」を行っています。お寺で授与したもの以外の、持ち込みのだるまも開眼でき、開眼料に決まりはなく、それぞれの祈願にあわせて納めるよう案内されています。ただし、当山の祈願証明書のない(持ち込みの)だるまは、開眼の志納料とは別にご祈祷料が必要と案内されています(少林山達磨寺「縁起だるま発祥の寺」)。深大寺では、だるま市で求めただるまに、元三大師堂前の「だるま目入れ所」で僧侶が目入れをします(深大寺「だるま市について」)。

だるまの目入れは喪中にしていい?

目入れの意味:願いを込めて片目、かなったらもう片目

少林山達磨寺は、だるまに向かい合って心を静め、願いを込めて向かって右に目を書き入れ、一年無事に過ごせたとき、または願いがかなったときに、感謝を込めてもう一方の目を入れる、と案内しています(少林山達磨寺「縁起だるま発祥の寺」、少林山達磨寺「よくある質問」)。

深大寺は、新しいだるまの左目に物事の始まりを意味する梵字「阿(あ)」を入れ、心願がかなったら右目に成就を意味する「吽(うん)」を入れて、感謝を込めて寺に納める、としています(深大寺「だるま市について」)。少林山の「向かって右」は、だるまから見ると左目なので、両寺とも最初に目を入れるのは同じ側です。

喪中・忌中の目入れ

喪中・忌中にだるまの目を入れてはいけない、という決まりはありません。少林山達磨寺の説明どおりなら、もう片方の目は「一年無事に過ごせたことへの感謝」を込めて入れるものなので、家族を亡くした年でも、守ってもらったことへのお礼として入れてかまいません。

忌中は、神棚に置いていないだるまなら家族の気持ちで決めてよいでしょう。気になる場合は、忌明けまで待ってから入れても遅くありません。

神棚に置いているだるまと神棚封じ

少林山達磨寺は、だるまの置き場所について、神棚があれば神棚の向かって左側に、神棚がなければ目線より高い場所に、と案内しています(少林山達磨寺「よくある質問」)。

神棚の近くに置いている場合は、忌中は神棚封じ(神棚の前に白い半紙を貼るなどして、まつりを一時やめること)の間、だるまにも触れずにそのままにしておきましょう。やり方は神棚封じのやり方は?誰がいつまで行うかと忌明けの解き方で解説しています。神社本庁は、年末年始が忌の期間と重なるときは忌明けの後にお神札を受けるよう案内しています(神社本庁「服忌について」)。神棚まわりに置くだるまも、同じように忌明け後に新しくするとよいでしょう。

古いだるまの納め方

受けたお寺に納める(だるま供養・お焚き上げ)

公式サイトで確かめられた3つのお寺は、いずれも役目を終えただるまの供養や納め所を設けています。

  • 少林山達磨寺:本堂と達磨堂の間に供養の受付があり、受付時間は毎日9時から17時。1月15日のいちばん盛大な供養法要のほか、小規模な供養法要を年に数回行い、12月のすす払いで本堂に納められただるまをすべて供養します。供養料に決まりはなく、袋や箱は持ち帰ります(少林山達磨寺「だるま供養」)
  • 深大寺:だるまの納め所は2月28日から開かれます(深大寺「だるま市について」)
  • 西新井大師:だるまの供養の受付は一年中で、毎年2月の節分の日に「だるま供養」としてお焚き上げをしています(西新井大師「納札・だるま供養」)。受付時間は通常時9:00〜16:30で、年末年始は別に案内されています(西新井大師「納札・だるま供養」)

古いだるまの納め先と時期(例)

少林山達磨寺(群馬・高崎)◎毎日9〜17時に受付。1月15日に大きなお焚き上げ供養
深大寺(東京・調布)○納め所は2月28日から(3月3・4日のだるま市の前)
西新井大師(東京・足立)◎一年中受付。節分の日にだるま供養
近くの寺社・どんど焼き△だるまを受け付けるか事前に確認
忌中で行けないとき△忌明けまで飾るか家族に頼む。納め先の受付を事前に確認
◎=いつでも納められる ○=納められる時期が決まっている △=事前の確認が必要。受付時間や日程は変わることがあるので、各寺の公式案内で確かめてください

受けたお寺に行けないとき

少林山達磨寺は、御札や御守は授かったお寺や神社に返して御礼参りをするのがいちばんよいが、どうしても返す機会がない場合は当山で預かって供養する、と案内しています(少林山達磨寺「だるま供養」)。遠方で行けない場合は、郵送での供養について問い合わせるよう書かれています。

近くのお寺や神社、地域のどんど焼きに出すときは、だるまを受け付けているかを先に確かめましょう。受け付けるものは寺社ごとに違い、たとえば少林山達磨寺は正月飾りや人形の供養は行っていません(少林山達磨寺「だるま供養」)。一方、西新井大師はだるまのほか、御札・熊手・破魔矢・しめ飾り・正月飾りなども受け付けています(西新井大師「納札・だるま供養」)。

忌中で納めに行けないとき

忌明けまで今のだるまを飾っておくか、忌中でない家族に納め所へ持って行ってもらいましょう。神社のどんど焼き(お焚き上げ)に出す場合は、神社参拝と同じに考えて忌明け後にすると安心です。

会社・お店のだるまは?

商売のだるまも、決まりはない

会社やお店のだるまについても決まりはないので、仕事のものとして例年どおり受けるか、経営者や家族の気持ちで決めてかまいません。

店主・社長が忌中なら、ほかの人に頼む

店主や社長本人が忌中で、だるま市が神社で開かれる場合や、お寺が七七日忌の法要後なら可としている場合は、社員や忌中でない家族に受けに行ってもらいましょう。

よくある疑問

喪中の人にだるまを贈ってもいい?

喪中の人にだるまを贈ってはいけない、という決まりはありません。ただ、新年のあいさつとして贈ると、受け取る側が戸惑うこともあります。特に忌中は控え、忌明け後に「元気を出してね」という励ましの気持ちで渡すなど、相手の様子を見て決めるとよいでしょう。

毎年いただく福だるま(自治会・取引先から)はどうする?

いただいたものは、ありがたく受け取ってかまいません。神棚の近くに置くなら、神棚封じを解いた忌明け後にしましょう。古い福だるまは、受け付けているお寺の納め所に納めます。

受験生のだるま、喪中でも用意していい?

だるまは願かけの縁起物なので、喪中でも用意してかまいません。ただし、忌中に神社で合格祈願をするのは控えます。お守りの受け方や郵送祈願については喪中・忌中に合格祈願はしていい?お守りと絵馬の受け方と郵送祈願で解説しています。

片目のままのだるまを、年末に両目にしていい?

かまいません。少林山達磨寺の説明では、もう片方の目は一年無事に過ごせたことや願いがかなったことへの感謝を込めて入れるものです(少林山達磨寺「縁起だるま発祥の寺」)。願いがかなっていなくても、一年見守ってもらったお礼として入れてから納めてよいでしょう。神棚に置いている場合は、忌中なら忌明け後にします。

まとめ

喪中・忌中のだるまとだるま市について、ポイントを整理します。

  • 決まりはない:喪中・忌中にだるまを買ってはいけない、という決まりはない。だるまは願かけと感謝の縁起物
  • 寺か神社かで分ける:神社のだるま市は忌中(五十日祭まで)は控える。お寺のだるま市は行き先の寺の案内を確認(七七日忌の法要後なら可とする寺も)
  • 忌中に重なったら:今のだるまを来年まで飾る、家族に頼む、忌明け後にお寺に問い合わせる
  • 目入れと神棚:目入れは喪中でもよい。神棚に置いているだるまは、神棚封じの間は触れない
  • 古いだるま:受けたお寺の納め所に。受付の時期や受け付けるものは寺ごとに違うので確認する

だるまは、一年を見守ってくれたことへの感謝と、これからの願いを託すものです。家族を亡くした年でも、すべてをやめる必要はありません。心の整理がつかない年は、去年のだるまにもう一年そばにいてもらうのもひとつの形です。決めかねることは家族で話し合い、だるまを受けるお寺の案内を手がかりに選んでください。忌中に控えることの全体は忌中期間にやってはいけないことは何か?でもまとめています。

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義祖母が2024年に90歳を迎えたことをきっかけに、相続・後見・葬儀を家族で一から調べ始めました。最初は「相続税ってそもそもいくらから払うの?」というレベルで、法務局に電話して手続きを確認したり、銀行の窓口で口座凍結の話を聞いたりしながら少しずつ知識を積み上げました。弁護士でも税理士でもありませんが、「同じ状況の家族が調べたらこうなった」という記録として、費用・期限・手順を具体的に書くことを大切にしています。
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