喪中・忌中

喪中に結婚記念日は祝っていい?ディナー・旅行・贈り物の判断と銀婚式の延期を解説

喪中に結婚記念日は祝っていい?ディナー・旅行・贈り物の判断と銀婚式の延期を解説
木田健太郎

家族を亡くしてまだ日が浅いのに、カレンダーには結婚記念日の印。前から予約していたレストランや旅行はキャンセルしたほうがいいのか、子どもたちが計画してくれていた銀婚式の食事会はどうするのか。配偶者の親が亡くなった場合は、相手や義実家の気持ちも気になりますよね。

結論をお伝えします。結婚記念日は、夫婦二人の内輪の記念日です。忌明け(仏式は四十九日、神式は五十日祭)を過ぎていれば、夫婦二人で静かに食事をしたり、ささやかな贈り物をしたりするのは差し支えないとする考え方が多いようです。一方、忌中は外食や旅行、贈り物も控えめにして日をずらす家庭が多く、親族や知人を招く祝いの席(銀婚式の食事会など)は、喪中のあいだは見送り、一周忌のあとに開くのが無難とされています。

この記事では、次のことがわかります。

  • 忌中・喪中・一周忌後で、ディナー・旅行・贈り物をどうするかの目安
  • 自分の親か、配偶者の親かで変わる配慮
  • 銀婚式・金婚式の延期の伝え方と、届いたお祝いへのお礼の例文

結論:喪中の結婚記念日の早見表

祝い方 忌中(四十九日・五十日祭まで) 喪中(忌明け〜一周忌) 一周忌後
夫婦二人で家で食事 普段の食事として。乾杯や飾りつけは控える 差し支えないとする考え方が多い 普段どおり
夫婦二人のディナー(外食) 日をずらすのが無難 落ち着いた店で控えめに。お祝い演出は断る 普段どおり
記念日の旅行 延期・キャンセルを考える(法要準備と重なる) 近場で静かに、なら行く家庭も 普段どおり
夫婦で贈り物 控える、または忌明け後に 実用品・小さな物なら 普段どおり
親族を招く食事会・銀婚式の祝宴 見送る 延期が無難 改めて開く
子どもや親族からお祝いを受ける 辞退するか、時期をずらしてもらう 気持ちとして受け、お礼を伝える 普段どおり

あくまで目安です。地域や宗派、家の考え方で変わります。

結婚記念日は「控えるお祝い」にあたるのか

喪中に控えるのは「人を招いて晴れやかに祝うこと」

まず知っておきたいのは、喪中は法律で決まったものではなく、故人をしのんで過ごすための慣習だということです。何をどこまで控えるかに、全国共通のはっきりした決まりはありません。一般的に控えるとされているのは、結婚式やお正月のお祝いのように、人を招いて晴れやかに祝うことです。

期間は、仏式では亡くなってから四十九日までを忌中、一周忌までのおよそ1年を喪中とするのが一般的です。神道では、神社本庁によると、特に慣例がない場合は五十日祭までが「忌」、一年祭(一周忌)までが「服」の期間とするのが一般的とされています(神社本庁「服忌について」)。

夫婦二人の記念日は家庭の中のこと

結婚記念日は、夫婦が結婚した日を振り返る、家庭の中の記念日です。人を招くわけでも、世間に向けて祝うわけでもありません。そのため、喪中だから一切してはいけないというより、「祝う・祝わない」よりも「どう過ごすか」で考えると迷いにくくなります。

ちなみに、日本で結婚25年を祝う「銀婚式」が知られるようになったのは明治時代といわれています。明治27年(1894年)には明治天皇の大婚(ご成婚)二十五年の祝典が行われ、勅令で記念章が定められました(国立公文書館「大婚二十五年祝典之章制定ノ件」)。これをきっかけに、銀婚式を祝う習慣が広まったといわれています。

宗派や家の考え方で差がある

浄土真宗では、亡くなった人はすぐに仏になると考えるため、忌中や喪中を特に重く見ないと説明されることがあります。ただし、お寺や家によって受け止め方は違います。また、地域によっては独自の習わしが残っていることもあります。迷ったときは、菩提寺や親族の年長者に聞いておくと安心です。

忌中か、忌明け後かで分けて考える

喪中の結婚記念日、どう過ごすかを決める順番

家族を亡くした年に、結婚記念日が来る
① 記念日は忌中?仏式は四十九日、神式は五十日祭までが目安
② 亡くなったのは誰?自分の親/配偶者の親/それ以外
③ 夫婦二人だけ? 人を招く?
④ 配偶者・家族と話して決める悲しみの中心にいる人の気持ちを優先
忌中なら

日をずらす・家で静かに予約は延期。当日は手を合わせて過ごす
人を招くなら

一周忌のあとに延期銀婚式の食事会・祝宴など
忌明け後・夫婦二人なら

控えめに祝ってよいお祝い演出やSNSでの報告は控える
地域・宗派・家の考え方で変わります。迷ったら親族の年長者や菩提寺に相談してください

忌中(四十九日・五十日祭まで)は日をずらすのが基本

忌中は、葬儀のあとの手続きや、四十九日法要の準備が重なる時期です。気持ちの面でも、記念日を楽しむ余裕はなかなか持てないでしょう。レストランや旅行の予約がある場合は、キャンセルするか、忌明け後に日を移すのが無難です。

記念日の当日は、仏壇や遺影に手を合わせ、夫婦で静かに過ごすだけでも十分です。忌中の過ごし方全体については、忌中期間にやってはいけないことは何か?で解説しています。

忌明け後〜一周忌は「夫婦二人で、控えめに」

忌明け後であれば、夫婦二人で食事をしたり、ささやかな贈り物をしたりするのは差し支えないと考える家庭が多いようです。気をつけたいのは、華やかさが外に見える部分です。たとえば、レストランのお祝いプラン(メッセージプレート、花束、記念写真のサービスなど)は断っておくと落ち着いて過ごせます。

また、記念日の様子をSNSで広く知らせるのは、喪中のあいだは控えめにしておくと安心です。親族や知人の目に触れることもあるからです。SNSの考え方は喪中・忌中にSNS投稿は控えるべきか?も参考にしてください。

四十九日の数え方と、記念日が境目に近いとき

四十九日は、亡くなった日を1日目として数えるのが一般的です。たとえば10月15日に亡くなった場合、四十九日は12月2日ごろになります(地域によっては数え方が異なることもあります)。記念日がこれより前なら忌中、後なら忌明け後と考えます。

実際の四十九日法要は、親族が集まりやすい週末などに前倒しして行うこともあります。その場合は、法要の日を忌明けの目安にする家庭もあります。記念日が境目に近いときは、無理に当日にこだわらず、法要が済んでから改めて過ごすと気持ちも落ち着きます。

誰が亡くなったかで変わる配慮

自分の親が亡くなった場合

自分の親が亡くなった場合は、まず自分の気持ちを大切にしてください。「記念日どころではない」と感じるなら、無理に祝う必要はありません。反対に、配偶者と静かに過ごすことで気持ちが和らぐこともあります。どちらにしても、今の気持ちを配偶者に言葉で伝えておくと、相手も気をつかいすぎずに済みます。

配偶者の親が亡くなった場合

配偶者の親が亡くなった場合、悲しみの中心にいるのは配偶者です。記念日をどうするかは、配偶者の気持ちに合わせるのがいちばんです。義実家の目が気になることもあるでしょう。

相手から言い出しにくい場合は、自分から「今年は家で静かに過ごそうか」と申し出ると、配偶者も気持ちが楽になります。もし配偶者が「いつもどおりに過ごしたい」と言うなら、それも大切な気持ちです。夫婦二人で、控えめな形を選べばよいでしょう。

祖父母・兄弟姉妹などの場合

祖父母や兄弟姉妹、おじ・おばなどが亡くなった場合は、関係の近さや、同居していたかどうかで考え方が分かれます。どこまで控えるかに決まった基準はありません。家族や親族の考えに合わせ、迷ったら年長の親族に相談しましょう。喪中とする範囲の考え方は、喪中はがきはいつまでに誰に出すのか?も参考になります。

ディナー・旅行・贈り物はどうする?

ディナー・外食

予約しているお店がある場合は、まず日付を変えられるか相談してみましょう。忌明け後に行くなら、記念日プランやお祝いの演出は外してもらい、普段の食事として楽しむ形にすると落ち着きます。

外に出る気持ちになれないときは、家でいつもより少し良い食事を用意するのもひとつの方法です。故人の好物を一品加えて、思い出を話しながら食べるのも、この時期らしい過ごし方です。

記念日の旅行

記念日に合わせた旅行は、忌中であれば延期を考えるのが無難です。予約がある場合は、キャンセル料がかかる時期を早めに確認しておきましょう。忌明け後であっても、四十九日法要や納骨、一周忌などの日程と重ならないように調整しておくと安心です。喪中の旅行全般の考え方は、喪中に旅行は行っていい?で詳しく解説しています。

夫婦の贈り物・花

喪中に夫婦で贈り物をするなら、普段使いできる実用品や、ささやかな物が向いています。のしや華やかなラッピングは避け、シンプルな包装にしておきましょう。花を贈る場合も、大きな花束より、食卓に飾れる程度の落ち着いたものがなじみます。手紙を添えるだけでも、十分に気持ちは伝わります。

誕生日と重なる・近い場合

結婚記念日と家族の誕生日が近い場合の考え方は、喪中に誕生日のお祝いはしていいか?でまとめています。

控えたい形 → 置き換えのアイデア

控えたい形置き換えのアイデア
お祝いプランつきのレストラン→いつもより少し良い家の食事や、故人の好物
記念日の遠出・豪華な旅行→一周忌のあとに延期、または近場で日帰り
親族を招く銀婚式の祝宴→一周忌のあとに開く。今年は夫婦の記念写真だけ
花束や華やかな包装の贈り物→実用品や手紙
SNSで記念日を報告→夫婦の間だけで残す
どれも「祝わない」ではなく「今年は形を変える」という考え方です

銀婚式・金婚式など節目の年で親族が集まる場合

食事会や祝宴は一周忌のあとに延ばす家庭が多い

銀婚式(25年)や金婚式(50年)のように、子どもや親族が集まってお祝いする節目の年は、夫婦二人の記念日とは事情が変わります。人を招いて祝う席になるため、喪中のあいだは見送り、一周忌が済んでから改めて開く家庭が多いようです。

他人の結婚式に招かれる場合とは違い、自分たちが主催する祝いの席なので、日程を動かしやすいのも理由のひとつです。招待されたときの考え方は喪中・忌中に結婚式へ招待された!出席していいか?で解説しています。

写真撮影や記念品は先に、祝う場は後に、という分け方もある

節目の年を何も残さずに過ぎるのが寂しい場合は、夫婦の記念写真を撮る、記念品を用意するなど、人を招かない形のことだけ先に済ませ、親族が集まる祝いの場は一周忌のあとにする、という分け方もあります。写真は年が過ぎてから見返したときに、故人をしのぶきっかけにもなります。

子どもや親族からお祝いを受けたら

忌中にお祝いの話が出た場合は、気持ちだけありがたく受け取り、品物や食事会は時期をずらしてもらうのが無難です。喪中(忌明け後)にお祝いが届いた場合は、断らずにありがたく受け取り、お礼を伝えれば失礼にはなりません。

喪中に届いたお祝いへのお礼

結婚記念日のお祝いをありがとうございました。
喪中のため控えめに過ごしておりますが、お気持ちがとてもうれしかったです。
落ち着きましたら、改めてお礼にうかがいます。

延期を伝えるときの言い方

子どもや親族が食事会を計画してくれていた場合は、まず感謝を伝え、そのうえで「一周忌が済んだら」と次の見通しを添えると、相手もがっかりせずに受け止めやすくなります。

銀婚式の食事会の延期を子ども・親族に伝える

せっかく銀婚式のお祝いを考えてくれてありがとう。
〇〇(続柄)が亡くなってまだ日が浅いので、今年は家で静かに過ごそうと思います。
一周忌が済んだら、改めてみんなで食事ができたらうれしいです。

よくある疑問

結婚記念日のケーキや乾杯もやめるべき?

忌明け後に夫婦二人で過ごすなら、ケーキや乾杯を気にしない家庭も多いようです。忌中であれば、ケーキやお祝いの乾杯は控えめにして、普段の食事として過ごすと落ち着きます。

配偶者は祝いたいけれど、自分は気が進まない

「祝わない」と言うと、相手を否定しているように聞こえてしまうことがあります。「今年は形を変えたい」と伝えると、気持ちがすれ違いにくくなります。たとえば次のような言い方です。

今年の記念日は、お店の予約はやめて家でゆっくり食べない?
お義父さんの好きだったものも用意して、二人で話せたらいいなと思って。

喪中に「結婚記念日おめでとう」と言われたら?

相手は事情を知らないか、気づかってくれての言葉であることがほとんどです。素直に「ありがとう」と受け取って大丈夫です。喪中の人へのお祝いの言葉の考え方は、喪中の人に「誕生日おめでとう」は言っていい?も参考にしてください。

亡くなったのが配偶者本人の場合は?

この記事は、夫婦がそろって記念日を迎える場合を前提にしています。配偶者を亡くしたあとの結婚記念日の過ごし方は、亡くなった人の誕生日の過ごし方のように、故人の記念日をしのぶ考え方が参考になります。

まとめ

喪中の結婚記念日についてのポイントを整理します。

  • 結婚記念日は夫婦二人の内輪の記念日:喪中に控えるのは、人を招いて晴れやかに祝うこと
  • 忌中は日をずらす:仏式は四十九日、神式は五十日祭まで。予約は延期し、当日は静かに過ごす
  • 忌明け後は夫婦二人で控えめに:お祝いプランやSNSでの報告は控え、贈り物は実用品や手紙を
  • 配偶者の親が亡くなったら:配偶者の気持ちを優先し、自分から「今年は静かに」と申し出る
  • 銀婚式などの祝宴は一周忌のあとに:延期するときは感謝と次の見通しを添えて伝える

大切な人を亡くした年の結婚記念日は、これまでと同じようには過ごせないかもしれません。それでも、夫婦がともに歩んできた日であることに変わりはありません。形にこだわらず、配偶者や家族と話しながら、今の二人に合った過ごし方を選んでください。

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義祖母が2024年に90歳を迎えたことをきっかけに、相続・後見・葬儀を家族で一から調べ始めました。最初は「相続税ってそもそもいくらから払うの?」というレベルで、法務局に電話して手続きを確認したり、銀行の窓口で口座凍結の話を聞いたりしながら少しずつ知識を積み上げました。弁護士でも税理士でもありませんが、「同じ状況の家族が調べたらこうなった」という記録として、費用・期限・手順を具体的に書くことを大切にしています。
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