喪中・忌中

喪中・忌中に宝くじを買っていい?年末ジャンボの判断と故人の当たりくじの受け取り方を解説

喪中・忌中に宝くじを買っていい?年末ジャンボの判断と故人の当たりくじの受け取り方を解説
木田健太郎

毎年、年末になると家族で年末ジャンボを買ってきた。けれど今年は家族を亡くし、「喪中に宝くじなんて不謹慎では」「もし当たったら罰当たりでは」と迷っている。遺品の中から、故人が買っていた宝くじが出てきた、という方もいるかもしれません。

結論をお伝えします。喪中・忌中に宝くじを買ってはいけない、という決まりはありません。宝くじは、法律にもとづいて都道府県や指定都市が発売しているもので(当せん金付証票法)、神社の行事ではないからです。

気をつけたいのは、忌中(五十日祭まで)に金運祈願などで神社へ参拝することです。神社本庁は、忌の期間は神社への参拝を遠慮するとしています(神社本庁「服忌について」)。また、当たったら喪中・忌中でも受け取ってかまいません。受け取りの期限は支払開始日から1年なので、待ちすぎないことが大切です。故人の宝くじは、相続人が受け取れます。

この記事でわかること

  • 喪中・忌中に宝くじを買ってもいいか、その理由
  • 金運祈願の神社や売り場に寄るときの考え方
  • 喪中・忌中に当たったときの受け取り方と期限
  • 故人が買っていた宝くじの確かめ方と、相続人の手続き
  • 当せん金と相続税の関係

結論:喪中・忌中の宝くじの早見表

こと 忌中 喪中(忌明け後)
売り場・ネットで買う 決まりはない 決まりはない
家族の分も買う 決まりはない 決まりはない
神社で金運祈願 控える 参拝してよい
当せん金を受け取る 受け取る(期限1年) 受け取る
故人の宝くじ 当せん確認→相続人が受け取る 同じ
年賀はがき(くじつき) 郵便局で無料交換できる 同じ(販売期間中)

法律や公的な決まりはありません。神社本庁「服忌について」と宝くじ公式サイトの案内をもとにした目安です。気持ちが向かない年は、無理に買わなくてかまいません。家族の気持ちを優先してください。

喪中・忌中に宝くじを買ってもいい?

宝くじは法律にもとづいて自治体が発売しているもの

宝くじの正式な名前は「当せん金付証票」です。当せん金付証票法では、都道府県や指定都市などが、公共事業などの費用にあてるために、総務大臣の許可を受けて発売できると決められています(当せん金付証票法 第4条)。宝くじ公式サイトでも、発売元は地方自治体で、発売などの事務を銀行などに任せていると説明しています(宝くじ公式「宝くじについて」)。

売り上げの使い道も公表されています。令和6年度の販売実績は7,598億円で、そのうち36.2%(2,750億円)が収益金として都道府県と20の指定都市に納められ、公共事業などに使われました。46.5%(3,529億円)は当せん金として支払われています(宝くじ公式「収益金の使い道」)。

つまり宝くじは、自治体が発売するものであり、神社の行事ではありません。

神社本庁の考え方:忌中は神社への参拝を控える

神社本庁は、「忌」を故人の祭りに専念する期間、「服」を故人への哀悼の気持ちを表す期間と説明しています。地域に慣例がなければ、五十日祭までが忌、一年祭(一周忌)までが服とするのが一般的です。忌の期間は神社への参拝を遠慮し、やむを得ない場合はお祓いを受けてから参拝するとよい、としています(神社本庁「服忌について」)。

売り場やネットで宝くじを買うことは、神社への参拝に当たりません(神社本庁「服忌について」)。そのため、喪中・忌中だから買ってはいけない、とは言えないのです。忌中に控えることの全体は、忌中期間にやってはいけないことは何か?でまとめています。

気になるなら「今年は見送る」「忌明けに買う」でもよい

決まりがない以上、買うか買わないかは家族の気持ちで決めてかまいません。参考までに、2025年の年末ジャンボは、発売期間が2025年11月21日〜12月23日、抽せん日が12月31日、支払開始日が2026年1月8日でした(宝くじ公式 宝ニュース)。

「亡くなってすぐで、とても買う気になれない」という年は見送ってもよいですし、忌明けを待ってから売り場へ行ってもかまいません。故人が毎年買っていた宝くじを、家族が引き継いで買うのも自由です。

喪中・忌中に宝くじを買うときの考え方

年末ジャンボを買いたい売り場・ネットで買うことに決まりはない
神社に寄る予定はある?(金運祈願・お守り)
寄らない

例年どおり買ってよい気持ちが向かなければ見送ってもよい
忌中に寄りたい

神社は控える忌明け(五十日祭)のあとに
忌明け後に寄りたい

参拝してよい
お寺に寄りたい

行き先の寺に確認
神社本庁『服忌について』をもとにした目安です

金運祈願の神社や人気の売り場に寄るときは?

忌中は神社での金運祈願を控える

宝くじを買うこと自体に決まりはありませんが、金運祈願で神社にお参りするのは「神社の参拝」です。神社本庁の考え方どおり、忌中(五十日祭まで)は控えましょう(神社本庁「服忌について」)。宝くじを神前に供えて祈願してもらう、金運のお守りを受ける、といったことも神社で行うものなので、参拝と同じに考えて忌明けのあとにすると安心です。

忌中と喪中の神社参拝の違いは、忌中と喪中で初詣に行くルールはどう違うか?でも解説しています。

お寺は、行き先の寺に確かめる

神社本庁の考え方は、神社についてのものです。お寺での祈願を考えている場合は、行き先のお寺に考え方を問い合わせてから出かけましょう。

売り場に並ぶこと自体は、神社参拝ではない

行列のできる人気の売り場に行ったり、列に並んだりすることに決まりはありません。ただし、売り場が神社の境内にある場合、忌中は境内での参拝を控えましょう(神社本庁「服忌について」)。

喪中・忌中に宝くじが当たったら?

受け取ってよい。期限は支払開始日から1年

当たった宝くじは、喪中・忌中でも受け取ってかまいません。むしろ注意したいのは期限です。当せん金を受け取る権利は、受け取れるようになった時から1年間使わないと、時効でなくなります(当せん金付証票法 第12条)。宝くじ公式サイトでも、売り場やコンビニで買った宝くじは、支払開始日から1年以内に受け取るよう案内しています(スクラッチは券面に書かれた支払期限まで)(宝くじ公式「当せん金のお受け取り」)。

「喪が明けてから」と先のばしにしているうちに、期限が過ぎてしまうことがあります。当たりがわかったら、早めに受け取りましょう。

受け取る場所は金額で変わる

売り場やコンビニで買った宝くじは、当せん金の額によって受け取る場所が変わります(宝くじ公式「当せん金のお受け取り」)。

  • 1当せん金・1口あたり5万円以下のみ:宝くじ売り場、みずほ銀行本支店(一部を除く)。1万円以下しか扱わない売り場もある
  • 5万円を超えるものを含む:みずほ銀行本支店(一部を除く)。10万円マークのある売り場では、10万円以下のみなら受け取れる
  • 100万円を超えるものを含む:印鑑が必要。受け取りまで1週間ほどかかる
  • 200万円を超えるものを含む:印鑑に加えて、運転免許証などの本人確認書類が必要
  • 宝くじ公式サイト・銀行の販売サイト・ATMで買った場合:登録した口座などへ自動で振り込まれる

当せん金に所得税はかからない

宝くじの当せん金には、所得税がかかりません(当せん金付証票法 第13条/宝くじ公式FAQ)。喪中・忌中かどうかで扱いが変わることもありません。

故人が買っていた宝くじが出てきたら

故人の宝くじが出てきたら

遺品から宝くじが出てきた支払開始日から1年が期限
どこで買った宝くじ?
売り場・コンビニの券

当せん番号案内で確認当たっていたらみずほ銀行で相続人の手続きを確認
宝くじ公式サイト

相続人がコールセンターに電話会員停止→書類提出→当せん金の支払い
銀行サイト・ATM

購入した口座に自動で振込口座の相続手続きとあわせて確認
宝くじ公式サイトと当せん金付証票法11条をもとに作成。当せん金は相続財産になります

まず当たっているか確かめる

売り場で買った宝くじは、宝くじ公式サイトの当せん番号案内で確かめます。宝くじ公式サイトで結果が見られるのは公式サイトで買った分だけで、売り場の券は当せん番号案内で確認するよう案内されています(宝くじ公式FAQ)。

期限は、ここでも支払開始日から1年です。たとえば2025年の年末ジャンボなら、支払開始日は2026年1月8日でした(宝くじ公式 宝ニュース)。遺品整理で見つけたら、ほかの遺品とは分けて保管し、早めに確認しましょう。

相続人が受け取れる(法律で決まっている)

当せん金付証票法では、当せん金は、宝くじを買った人や、その人から贈られた人、またはこれらの人の相続人などに、当せんを確認できる宝くじと引き換えに支払うと決められています(当せん金付証票法 第11条)。故人の宝くじが当たっていれば、相続人が受け取れるということです。

売り場で買った券を相続人が受け取るときの手順は、宝くじ公式サイトに専用の案内が見当たりません。高額の当せんがわかったら、受け取り窓口であるみずほ銀行本支店に、必要なものを事前に確認してから行きましょう。

宝くじ公式サイトで買っていた場合

故人が宝くじ公式サイトの会員だった場合は、相続人が宝くじコールセンターに電話で連絡します。相続人からの申し出がないと、受託銀行が相続の手続きを進めることはありません(宝くじ公式FAQ「会員が亡くなりました」)。手続きの流れは次のとおりです。

  1. コールセンターへ連絡:故人の本人情報を確認したうえで、会員状態を停止する
  2. 書類を出す:まだ支払われていない当せん金やお預かり当せん金を相続する場合、相続関係届書(受託銀行から郵送)、故人の戸籍謄本か住民票の除票、相続人の戸籍謄本か住民票、相続人の印鑑証明書(6か月以内)、相続人の受取口座の通帳コピー、遺産分割協議書(ある場合)
  3. 当せん金の支払い:受託銀行が書類を受け取ったあとに手続き。金額によっては追加の書類を求められることがある

故人が継続購入などを設定していたかもしれない場合も、まずはコールセンターに連絡して会員状態を止めてもらいましょう。連絡先は、上の宝くじ公式FAQのページから確認できます。

当せん金は故人の財産として相続税の計算に入る

当せん金に所得税はかかりませんが、それとは別に、故人が受け取るはずだった当せん金は、故人の財産として相続税の計算に入ります。国税庁は、相続税がかかる財産を、現金や預貯金などのほか「金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのもの」と説明しています(国税庁 No.4105)。

相続税がかかるのは、財産の合計が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えるときです(国税庁 No.4152)。くわしくは相続税はいくらからかかる?計算方法と基礎控除をわかりやすく解説をご覧ください。ほかの財産の調べ方は、相続財産の調査方法でまとめています。

よくある疑問

年賀はがきを買ったあとに喪中になった。くじつきのはがきはどうする?

服喪のために使わなくなったお年玉付き年賀はがきは、郵便局で普通切手(弔事用切手を含む)や通常はがきなどに無料で交換できます。交換できるのは、そのはがきの販売期間中です。簡易局を除く郵便局の窓口で服喪であることを伝え、備え付けの請求書に住所・氏名・亡くなった方との続柄などを書きます。年賀状印刷などの印刷代を含むものは、印刷代を除いた金額での交換になります(日本郵便「服喪のためお年玉付郵便はがき等を使用しない場合の交換」)。

喪中の家族に、宝くじをプレゼントしてもいい?

決まりはありません。相手の気持ちしだいです。なお、宝くじ公式サイトの「ギフト購入」で贈った宝くじは、受け取った人の宝くじになり、当せん金も受け取った人の口座などに振り込まれます(宝くじ公式FAQ)。

忌中に当たったら、受け取りは忌明けまで待つべき?

待つ決まりはありません。当せん金を受け取る権利は、1年で時効になります(当せん金付証票法 第12条)。売り場やコンビニで買った宝くじは、支払開始日から1年以内に受け取ります(宝くじ公式「当せん金のお受け取り」)。

まとめ

喪中・忌中の宝くじについて、ポイントを整理します。

  • 買ってよい:喪中・忌中に宝くじを買ってはいけない、という決まりはない
  • 宝くじとは:都道府県や指定都市などが法律にもとづいて発売するもの。神社の行事ではない
  • 神社は忌明け後に:忌中(五十日祭まで)は、金運祈願など神社への参拝を控える
  • 当たったら受け取る:喪中・忌中でも受け取ってよい。期限は支払開始日から1年
  • 故人の宝くじ:相続人が受け取れる。公式サイトの会員ならコールセンターへ。当せん金は相続財産になる

宝くじを買うかどうかに、喪中・忌中の決まりはありません。大切なのは、家族の気持ちです。今年は見送るのも、故人の分まで買うのも、どちらも自由です。迷ったときは家族で話し合い、神社へのお参りだけは忌明けを待つ、という目安で考えてみてください。

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義祖母が2024年に90歳を迎えたことをきっかけに、相続・後見・葬儀を家族で一から調べ始めました。最初は「相続税ってそもそもいくらから払うの?」というレベルで、法務局に電話して手続きを確認したり、銀行の窓口で口座凍結の話を聞いたりしながら少しずつ知識を積み上げました。弁護士でも税理士でもありませんが、「同じ状況の家族が調べたらこうなった」という記録として、費用・期限・手順を具体的に書くことを大切にしています。
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