喪中・忌中

喪中・忌中の急な葬儀!喪服は人に借りてもいいか?失礼になる場面と借りる前の確認点を解説

木田健太郎

急な訃報を受けて、明日には通夜へ向かわなければならない。けれど手元に喪服がない——。そんなとき、真っ先に頭をよぎるのが「母や姉、友人に借りられないだろうか」という選択肢ではないでしょうか。

買えば数万円かかるものを、一晩だけのために用意するのはためらわれる。かといって、借りるのが失礼にあたるのではないかという不安もある。そもそも「喪服の貸し借りは縁起が悪い」と聞いたことがある方もいるかもしれません。

結論からお伝えします。喪服を人から借りること自体は、マナー違反ではありません。ただし「誰から借りるか」「どの立場で参列するか」によっては避けたほうがよい場面があります。

そしてもうひとつ、多くの方が見落としている事実があります。人から借りても、実際には無料では済まないということです。この記事では、借りる前に確認すべきこと、貸す側が実は渋りやすい理由、そして借りた場合にかかる本当の費用まで、正直に整理します。

喪服の貸し借りはマナー違反ではない

参列者の服装を細かく見ている人はいない

まず安心していただきたいのは、葬儀の場であなたの喪服が「自前かどうか」を気にする人はいないという点です。参列者は故人を悼むことに気持ちを向けており、遺族は対応に追われています。

弔事の服装マナーで問われるのは、その装いが場にふさわしいかどうかであって、所有者が誰かではありません。サイズが合っていて、きちんと手入れされた喪服であれば、借り物であっても何ら問題ありません。

そもそも喪服は「持っていなくて当然」という時代背景もあった

意外に思われるかもしれませんが、かつて日本には「喪服をきちんと準備しておくのは縁起が悪い」という考え方がありました。不幸を予期して備えるようで縁起が悪い、取るものも取りあえず駆けつけるのが本来の姿だ、という感覚です。

つまり「喪服を持っていないこと」は、本来まったく恥ずかしいことではなかったわけです。近年は社会人の礼装として備えておく考え方が一般的になりましたが、持っていないからといって非常識ということにはなりません。

ただし、貸す側が渋ることがある理由

借りること自体は問題なくても、頼まれた側が快く応じるとは限りません。「喪服だけは貸したくない」と感じる人が一定数いるのが実情です。その理由を知っておくと、頼むかどうかの判断がしやすくなります。

理由①:縁起の面で抵抗を感じる人がいる

先ほど触れた言い伝えと関連して、「不幸に関わるものを貸し借りしたくない」という感覚を持つ方がいます。特に年配の世代では、この意識が根強く残っている場合があります。

本人にとっては大切にしている考え方ですから、頼まれた側が言葉を濁したときは、深追いせずに引くのが賢明です。

理由②:汚れ・型崩れへの不安

ブラックフォーマルは、実用面でも扱いがデリケートです。黒の発色を保つために特殊な染色がされているものが多く、一般的な衣類より汚れやテカリが目立ちやすいという特徴があります。

葬儀では通夜振る舞いや精進落としといった会食の場面があり、食べこぼしの汚れが付くリスクは決して低くありません。持ち主としては、次に自分が使うときのことを考えると不安になるのが自然です。

理由③:自分も急に必要になるかもしれない

喪服は、いつ必要になるか予測できない衣類です。貸している間に自分に不幸の知らせが入る可能性もゼロではありません。この点を気にして貸し出しに慎重になる方もいます。

借りる前に確認すべき5つのこと

それでも借りる方向で進めるなら、以下の5点を必ず確認してください。ここを飛ばすと、当日に困った事態になります。

①体型・身長が近いか

最も重要な確認事項です。喪服は体のラインが出やすく、サイズが合っていないことが最も目立つ服装でもあります。

特に注意したいのがスカート丈です。身長が5cm違うだけで膝が出てしまい、弔事にふさわしくない印象になります。喪服のスカートは正座やお辞儀の動作を考えて、膝が完全に隠れる丈が基本です。肩幅やウエストが合っていても、丈が合わなければ着られません。

②どの立場で参列するのか

ここが判断の分かれ目になります。

  • 一般参列者として参列する:借り物でもまず問題ありません
  • 遺族・近い親族として参列する:慎重に判断すべきです

遺族側は参列者をお迎えする立場であり、長時間人前に立ち、写真にも残ります。焼香の案内や挨拶で動きも多くなります。この立場でサイズの合わない借り物を着るのは、負担が大きく避けたほうが無難です。

③季節に合っているか

喪服には夏用・冬用・オールシーズン用があります。真夏に冬用の厚手の喪服を借りてしまうと、式場までの移動で汗だくになり、体調を崩しかねません。逆に真冬に夏用では冷えます。

借りる際は必ず「これは何用か」を確認してください。

④小物まで揃うか

喪服本体だけ借りても、実際に必要なものは他にもあります。

  • 黒いフォーマルバッグ(光沢・金具のないもの)
  • 黒いパンプス(ヒール3〜5cm程度)
  • 黒いストッキング(30デニール前後)
  • 数珠
  • 袱紗

喪服を貸してくれた相手が、これらまで一式持っているとは限りません。結局バッグと靴は自分で買うことになった、というケースは非常に多いので、事前に何が揃うかを確認しておきましょう。

⑤返却時の条件をすり合わせておく

返すときの扱いを事前に決めておかないと、後で気まずくなります。クリーニングに出すのか、いつまでに返すのか、この2点は必ず確認してください。

借りても「タダ」ではないという現実

ここが、この記事で最もお伝えしたい点です。

人から喪服を借りると、貸してもらったこと自体は無償でも、実際にはそれなりの費用と手間が発生します。

返却時にかかるもの

  • クリーニング代:借りた側が負担するのが礼儀です。ワンピース+ジャケットで2,000〜4,000円程度かかります
  • お礼の品:菓子折りなどで3,000円前後が目安です
  • 不足していた小物の購入費:バッグや靴を買い足せば、さらに1万円前後

これらを合計すると、実質的な負担は5,000円〜1万5,000円程度になります。しかもクリーニング店に出して受け取りに行く手間、お礼を選んで届ける手間が、葬儀直後の慌ただしい時期に加わります。

お金に換算できない負担もある

さらに見落としがちなのが、精神的な負担です。

  • 会食の席で「汚さないように」と気を張り続けることになる
  • 万が一シミを付けてしまったときの気まずさ
  • サイズが微妙に合わないまま数時間を過ごす窮屈さ
  • 返却が遅れたときに催促されないよう気を遣う

ただでさえ心身が消耗している時期に、こうした緊張を抱え続けることになります。「借りる=負担が少ない」とは、必ずしも言えないのです。

借りる・買う・レンタルの比較

方法 実質費用 サイズ 小物 手間
人に借りる 5,000〜15,000円 合わない可能性あり 揃わないことが多い クリーニング+お礼+気遣い
量販店で購入 20,000〜50,000円 自分に合う 別途購入が必要 店舗へ行く時間が必要
レンタル 数千円〜 サイズを指定できる セットで借りられる 返送のみ

こうして並べてみると、「人に借りる」は思ったほど安くも楽でもないことが見えてきます。特に、頼める相手が体型の合わない人しかいない場合や、小物が揃わない場合は、レンタルのほうが総合的な負担は軽くなります。

気を遣わずに済ませたいならレンタルという選択

ブラックフォーマル専門のレンタル「Cariru BLACK FORMAL」は、まさに「借りたいけれど人に頼むのは気が引ける」という状況のために使えるサービスです。

  • サイズを自分で選べる:7号から15号以上まで揃っているため、体型が合わない喪服を無理に着る必要がありません
  • 小物セットプランがある:バッグ・靴・数珠・袱紗・真珠のネックレスまで一式揃うので、「借りたけど靴がない」という事態が起きません
  • 最短翌日に届く:16時までの注文で最短翌日配送。明日の通夜にも間に合います
  • クリーニング不要:着用後はそのままコンビニから返送するだけ。クリーニング店に出す手間も費用もかかりません
  • 汚しても過度に気にしなくてよい:レンタル前提のサービスなので、人の私物を借りるときのような緊張感がありません

人間関係に気を遣わずに済むという点は、精神的に消耗している時期には想像以上に大きな利点になります。

よくある疑問

母や姉妹から借りるのも遠慮すべき?

同居の家族や姉妹であれば、遠慮しすぎる必要はありません。体型が近く、小物も含めて相談しやすい相手であれば、最も現実的な選択肢です。

ただしその場合も、クリーニングに出して返すことは忘れないでください。身内だからこそ、後々しこりを残さない配慮が大切です。

職場の同僚に借りるのはあり?

おすすめできません。私物、それも冠婚葬祭用の衣類を職場の関係で貸し借りするのは、相手に断りづらい思いをさせる可能性があります。関係性が近い相手でなければ避けたほうが無難です。

借りた喪服にシミを付けてしまったら?

隠さずに、すぐ正直に伝えてください。そのうえで、通常のクリーニングではなくシミ抜きを依頼し、費用は全額負担します。落ちなかった場合は弁償の意思を示すのが誠実な対応です。

黙って返すのが最も関係を損ないます。

レンタルの喪服はマナー違反にならない?

なりません。レンタルであることが他の参列者に分かることはありませんし、弔事の服装マナーに所有形態の規定はありません。

むしろ、サイズの合った清潔な状態のものを着られるという意味では、無理に借りた合わない喪服より適切な装いになります。

まとめ

  • 喪服を人から借りること自体は、マナー違反ではありません
  • ただし「喪服の貸し借りは縁起が悪い」と考える人もいるため、渋られたら深追いしないこと
  • 借りる前に体型・参列する立場・季節・小物・返却条件の5点を必ず確認する
  • 遺族や近い親族として参列する場合は、借り物は避けたほうが無難です
  • 借りてもクリーニング代とお礼で実質5,000〜15,000円かかる。無料ではありません
  • 頼める相手が体型の合わない人しかいない、小物が揃わないという場合は、レンタルのほうが負担が軽くなります

大切なのは、誰の喪服を着ているかではなく、故人を見送る気持ちです。ただ、その気持ちに集中するためにも、当日に服装のことで気を張らずに済む方法を選んでいただければと思います。

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家族の終活ノート
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義祖母が2024年に90歳を迎えたことをきっかけに、相続・後見・葬儀を家族で一から調べ始めました。最初は「相続税ってそもそもいくらから払うの?」というレベルで、法務局に電話して手続きを確認したり、銀行の窓口で口座凍結の話を聞いたりしながら少しずつ知識を積み上げました。弁護士でも税理士でもありませんが、「同じ状況の家族が調べたらこうなった」という記録として、費用・期限・手順を具体的に書くことを大切にしています。
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