忌中期間に散髪をして髪を切るのはNGか?古い迷信の由来と現代のマナーを解説
「祖父が亡くなり、今四十九日までの忌中(きちゅう)期間中だが、美容院を予約していた。行ってはいけないのだろうか」「身内の葬儀の後に散髪をしようとしたら、親戚から『忌中は髪を切るものではない』と注意されたが本当?」——このような疑問や戸惑いをお持ちではありませんか?
「忌中や喪中に散髪をしてはならない」という話は、古くからのしきたりや祖父母世代の言葉として耳にすることがあります。しかし、現代社会において1ヶ月以上も髪を切らずに放置することは、身だしなみの維持の観点からも非常に不便です。
この記事では、なぜ「忌中に髪を切ってはならない」と言われてきたのかという歴史的な由来から、現代社会における散髪のマナーの真実について詳しく解説します。なお、その他一般的に忌中期間中に「やってはいけない」とされる代表的なマナーについては、こちらの忌中期間にやってはいけないことは何か?を参考にしてください。
結論:現代の忌中における散髪は「全く問題なし」
結論から申し上げますと、**「忌中であっても、美容院や理容室に行って髪を切ること(散髪)は全く問題ありません。マナー違反でもなく、不謹慎でもありません」**。
現代における清潔な身だしなみは、仕事や学校生活を送る上での社会人の最低限のマナーです。特に営業職や接客職、フォーマルな場に出る機会が多い人の場合、髪がボサボサで不潔な印象を与えることの方が、周囲に心配や不快感を抱かせる原因となります。
親戚から注意された場合は、古い慣習を大切にされているお気持ちを尊重しつつも、「仕事の都合でどうしても整える必要があって」と説明すれば、それ以上反対されることはまずありません。安心してお近くのサロンを予約してください。
なぜ「忌中に髪を切ってはいけない」という迷信ができたのか?
では、そもそもなぜこのような「迷信」が生まれ、現代にまで伝わっているのでしょうか。それには歴史的な背景が深く関係しています。
① 儒教や古代日本の「哀悼の姿勢」
古代の中国(儒教の教え)や日本においては、親や大切な家族が亡くなった際、悲しみのあまり衣服を整えず、髪をとかさず、ヒゲも剃らずに、ひたすら慟哭し喪に服すという強い服喪の習慣がありました。髪を切ったり整えたりすることは「お洒落をする=日常生活に戻って楽しんでいる」とみなされ、故人に対する哀悼の誠が足りないと批判される対象だったのです。これが「忌中に散髪はNG」という考え方の原点です。
② 「身辺を整える余裕がない」ことの表現
かつては葬儀の準備からその後の各種手続き(役所関係、四十九日法要の段取りなど)はすべて自分たちの手で行わなければならず、身なりを整える余裕など精神的にも肉体的にもありませんでした。周囲の人々も「髪を切る暇もないほど大変な時期なのだから、そっとしておいてあげよう」と配慮していました。この「お互いの配慮」が、年月を経て「散髪は禁止」というルールのように変化してしまったと言われています。
現代の忌中散髪で気をつけるべきマナー
髪を切ること自体は問題ありませんが、忌中という遺族のデリケートな期間だからこそ、以下の2点については配慮しておくことをおすすめします。
- 派手なイメチェンや金髪などのカラーは避ける:前述の通り、散髪は「身だしなみを清潔に保つため」の行為です。そのため、忌中期間中に極端に派手なヘアスタイルにイメチェンしたり、明るすぎる金髪に染めたりする行為は、親族から見れば「悲しんでいない」「お洒落をして遊んでいる」と誤解される火種になり得ます。四十九日が明けるまでは、現状維持か、清潔感を保つためのカットに留めましょう。
- 美容師に「忌中であること」をわざわざ話さなくてもよい:散髪中に美容師との雑談の中で、「最近どうですか?」と聞かれることがあります。この際、「実は忌中で……」と打ち明ける必要はありません。美容師側も言葉に気を使ってしまい、店内の雰囲気が重くなってしまうため、日常の他愛もない世間話に留めておくのがお互いのためのマナーです。
まとめ
忌中の散髪についての要点をまとめると、以下の通りです。
- 散髪は100%問題ありません。社会的な身だしなみの維持は現代の最低限のマナーです。
- 「髪を切るな」と言われるのは、歴史的な儒教の厳しい哀悼の風習(悲しみのあまり髪を振り乱すこと)や、「余裕がないことの表現」に由来しています。
- 四十九日を終えるまでは、極端な派手な髪型やヘアカラーは避け、清潔感を維持するためのカットに抑えるのが無難です。
心身ともに疲弊しやすい忌中の時期だからこそ、美容室に行ってシャンプーをしてもらい、髪をすっきり整えることは、自分の心を癒し、前を向くための良い気分転換にもなります。常識的な範囲内で、身の回りを綺麗に整えてください。
